2019年6月21日金曜日

墨も岩絵の具も使わないが

絵の中で実は日本画が好きだったり水墨画に心ときめいたりしはしますが、日常生活において半紙だの懐紙だの和紙製品の登場頻度は低いですね。懐紙は来客用に備えてる家庭もあるかもしれませんが。
身近なようで縁遠い和紙ですが、個人的に一つだけとても使用頻度が高い分野があります。

便箋です。

無地ものから柄物、フォーマルからファンシーまで現在さまざまな和紙製の便箋が流通しています。よく見かけるのは越前和紙と美濃和紙ですね。
和紙だから使う、というよりも和紙ものに好みの柄が多いから使ってる、という感じではありますが、ペンの滑りも良く、インクによっては裏抜けしないくせにやたら滲んだりもしますが発色も良く。しかも薄さに比べて強度もある。
ちょっと欠点もありますが使いやすいものが多いです。

そんな中で先日トロロアオイの栽培農家が廃業寸前、というニュースをみました。伝統だ何だと言ったって、誰も金を回さないなら産業は滅びるだけです。そう、産業なんですよ。投資に見合うだけ回収がないなら廃れるだけです。
トロロアオイがなければ和紙の生産はできないですが、そのために栽培農家がババを引いて正当な対価を得られなくて良い理由なんてありはしません。
残念には思いますが、現状のままですといずれ国内のトロロアオイ生産は終了するでしょうから、今流通している和紙製品をありがたく使うことにします。

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